誰がアジアを解放したのか
日本帝国が白人からアジアを解放した、という言い草の馬鹿馬鹿しさは、肝心の日本自身から解放しなかった事で明白なだけではなく、昔日の白人コンプレックスを未だに全開にしている滑稽さからも少なからず醸し出されています。
では、東アジア諸国は実際にはどのようにして植民地の地位から「解放」され、独立したのか。 日本の侵略対象になった主な国の、独立に至る簡単な年表を作ってみました。 結論から言えば、ベトナムとインドネシアは日本を含む占領者・宗主国等と独立戦争を戦い、自ら独立を勝ち取っています。 旧イギリス領諸国は一度イギリス領に復帰したうえで、終戦後しばらくを経てイギリスとの交渉により、非暴力的に独立を果たしています。 戦時中まで含めて考えれば、現地国民はビルマでは正規軍として、フィリピンではゲリラとして日本帝国と交戦しています。 日本の侵攻に直接依存して独立し今日に至っているケースは、一つもありません。
これで納得いただけたでしょうか。 アジアを解放したのはアジアの人びと自身であり、日本の敗戦はそのための必要条件でした。例外はありません。 往生際の悪い向きが、わざわざ私財を投じてムルデカなんとかと言う映画を作ったりして歴史をねじ曲げようとしていますが、各々の国ごとにもっと詳しく歴史をひもとけば、それらのパラレルワールド・ファンタジーも潰れる運命にあります。 特に、かつて「アジアで唯一、日本の軍歌を歌っても叩き出されない国」と言われたインドネシアについては、歴史の虚飾に使われる材料がいろいろあるので、別途重点的にフォローします。 トップページへ 『アジア太平洋戦争』トップへ |