資料:大東亜政略指導大綱1943年5月31日 御前会議決定 開戦し東南アジア各地に占領地域を広げた後、これら占領地をどう取り扱うかにつき決定したものです。 まずは絵にしてみましょう。 東経90度線、南緯10度線は前年に決定した「大東亜共栄圏」の西限と南限です。 おわかりの通り、アジア太平洋戦争で獲得目標とした石油・金属資源の宝庫であるマレーシア、インドネシア主部は日本の領土に編入するとしています。 アジアの解放もへったくれもありません。住民の自治云々とは書いてありますが、この時点では独立させる気は毛頭なかったのです。 フィリピンは独立させるとしていますが、もともと戦前から米国との間で1946年7月4日に独立する約束ができていました。 従って、傀儡のヒモつきでない独立であっても、日本帝国の功績にはなりません。 ビルマも独立させるとは言っていますが傀儡政権で、「新緬甸をして先づ速に帝国と緊密一体大東亜戦争完遂に協力し得る物心両面の態勢を整備せしむ」「大日本帝国を盟主とす」「少数精鋭なる日本人を配置し之が指導に任せしむ」「緬甸国軍は戦時の用兵作戦に関し夫々在緬帝国陸海軍最高指揮官の指揮を承く」(緬甸独立指導要綱)などと諸々の条件付きでした。
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