資料：基本国策要綱

1940年7月26日　閣議決定
原文閲覧：　国立公文書館アジア歴史資料センター　Ref. C12120084200

　いわゆる大東亜共栄圏、即ち日本が東アジアを支配するとの方針を出した閣議決定です。
　ナチスドイツが前月14日にパリを陥落させ、破竹の勢いでヨーロッパを席巻する中で定められ、八紘一宇すなわち天皇が頂点に立つ「大東亜の新秩序」を建設する、「日満支を一環とし大東亜を包容する皇国の自給自足経済政策」を確立すると宣言しています。

　この翌日には、この要綱に従って世界情勢の推移に伴ふ時局処理要綱を決定し、南方進出＝東南アジア侵略を既定方針とします。
　追って９月には日独伊三国軍事同盟を結び、翌年２月には枢軸同盟国（ナチスドイツ、イタリア）とソ連で世界を再分割する夢想まで語るに至ります（『対独伊ソ交渉案要綱』1941.2.3）。

　これはナチスの尻馬に乗って自らの支配権を東アジア全体に拡大するという臆面もない宣言です。当然ながら、日中開戦以来の英米の反発を強め対抗措置を強めさせる事となり、ついには南部仏印進駐に対して日本資産凍結、石油全面禁輸を蒙るに至ります。